コラム

Strengthening Conditioning & Nutrition column

私たちの健康づくりに欠かすことのできない運動や栄養について、身近なトピックをテーマに、各分野の専門家から寄稿いただきみなさまにお届けします。


執筆者:玉利紗綾香(たまりさやか) 

料理家・スポーツ栄養学講師 

食品会社に入社し、プライベートブランド商品開発に携わる。

料理家のアシスタントを経たのち、独立。スポーツ栄養学講師のほか、 栄養士の免許を活かし、レシピ提案、フードスタイリスト、JAやまがたアンバサダーなど多様な分野で活動中。

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足が「つる」原因と食事のポイント

寝ているとき、ストレッチ中に、「痛っ、、、」足がつる経験ありませんか。

それは、ある栄養素が不足している可能性があります。

今回は、足がつってしまう原因を知って、生活(食事)習慣、運動習慣を見直していきましょう。

 

まず、足がつる主な原因は、電解質の異常が挙げられます。

電解質とはマグネシウムやカルシウム、ナトリウム、カリウムなど水に溶けると電気を通すミネラルなどの物質で、神経が情報のやり取りをするときに使われています。

特に筋肉の収縮の調節にかかわる栄養素であるマグネシウムとカルシウムは、不足すると神経伝達に支障が生じ、筋肉の働きが鈍くなり足がつる現象が起きてしまいます。

 

【足がつる原因と改善方法】

主な原因は、加齢や疲労、脱水、冷えなどによるミネラルバランスの崩れです。

睡眠中は汗をかくことで、ミネラルが失われつりやすくなります。

また、夏場は冷房をつけている環境下にいることで、カラダが冷えてしまい、血流が悪くなり、足がつりやすくなってしまう悪循環が生じてしまいます。

よって、気温が下がる冬場も注意が必要です。

 

加齢が原因として挙げられるのは、脚の筋肉量減少が原因となります。

筋肉は、血液の流れをよくする働きがありますので、運動により脚の筋肉量を増やすことで、こむら返りが解消できたり、血行がよくなることで、冷えを改善できます。

 

【食事について】

●「足がつる」予防できる栄養素

キーワードは、「マグネシウム、カルシウムを意識した食事」です。

食事は栄養の偏りがなく、バランスの良い食事を用意することが前提ですが、足がつることが多い方は、「マグネシウム、カルシウム」が豊富に含まれる食材をご紹介しますので、ぜひ日常に取り入れてみてください。

 

<マグネシウムを多く含む食品>

・そば ・のり ・ワカメ ・アーモンド ・落花生 ・納豆 ・ほうれん草 ・スルメ ・カキ  ・乾燥ひじき ・玄米 ・かぼちゃ ・いも ・椎茸 など

 

<カルシウムを多く含む食品>

・牛乳 ・豆腐(もめん) ・煮干し ・プロセスチーズ ・小松菜 ・ヨーグルト ・油揚げ ・桜えび ・しらす など

 

●お酒を飲む方

お酒を飲むと肝臓ではアルコールを分解するためにミネラルが大量に消費されるため、スルメ、ナッツなどミネラルが多いものをおつまみとして一緒に摂ると、睡眠時の「足がつる」予防となります。

【レシピ紹介】

今回ご紹介するレシピは、「マグネシウム、カルシウムを意識した」スープです。

汗とともに失われるマグネシウム、カルシウムが補給でき、カラダを温めることができるミルクスープをご紹介します。カルシウムは丈夫な骨を作り、神経や筋肉を効率よく作ってくれます。

たんぱく質源を、鶏肉から鮭などの魚介類に換えたり、栄養価が高くなる旬の食材を取り入れてお楽しみください。

★鶏むね肉のミルクスープ

材料(2人分)

鶏むね肉 1枚(200g)

玉ねぎ 1/2個

舞茸 50g

かぼちゃ 100g

塩・こしょう 各少々

水 300ml

牛乳 200ml

コンソメ(固形) 1個

塩 小さじ1/3

油 小さじ1

パセリ 適量

 

①鶏むね肉は、皮を取り、一口大に切り、塩・こしょうをふる。

 玉ねぎは薄切り、舞茸は手でほぐし、かぼちゃは1cm幅に切る。

②鍋に油(分量外)をなじませ、中火で玉ねぎを炒め、舞茸を加える。玉ねぎが透明になったら、

 鶏肉、かぼちゃをいれ、水を入れ、かぼちゃに火が通るまで煮込む。

③牛乳、コンソメ、塩を加える。器に盛り、パセリをお好みでふる。 

「浮腫み」の原因と食事のポイント

今回のテーマ「浮腫み」。

よく聞いたり、実感しやすい身近な症状ではないでしょうか。

しかし、この「浮腫み」、きちんと説明できる方は少ないかと思いますので、まずはカラダの中でどのような状態が起きているのか把握してみてください。

 

私たちのカラダの大半は水分で構成されており、通常は一定の水分バランスを保っています。

しかし、何かの原因でバランスを崩すと、血管内の水分が外に出て戻れなくなり、細胞と細胞の間にとどまります。この余分な水分を体内に溜め込んだ状態を「浮腫み」といいます。

 

【浮腫みの原因と改善方法】

主な原因は、カラダの冷え、同じ姿勢が長時間続く、水分不足、アルコールや塩分の過剰摂取が挙げられます。簡単な予防法をご紹介します。

 

▼カラダの冷え、長時間同じ姿勢が続く

夏場の冷房、冬の寒い時期に起こりやすいです。

カラダが冷えること、同じ姿勢で長時間いると、血液の流れが悪くなるので、意識的にストレッチをしたり、時々座る体制を変えるなど心がけましょう。

また、血行を改善するためには、適度な運動がおすすめです。筋肉を作ることは浮腫み予防にも役立ちます。運動後は、湯船につかることで体内も温まり血流もよくなるのでおすすめです。

 

▼水分不足

体内の水分が不足していることを感知すると、水分を体内に溜め込むように働きます。こまめな水分補給を心がけましょう。

 

▼アルコール、塩分の過剰摂取

味付けの濃いものを食べて塩分を摂りすぎると、のどが渇き、水分の摂取量が増えます。その結果、ナトリウム濃度を一定に保つために水分が蓄えられやすくなってしまいます。

自炊をすることで塩分を少なくすることもできますし、塩分を排出する働きのある食材を積極的に摂りましょう。

 

【食事について】

●「浮腫み」を予防できる栄養素

キーワードは、「カリウムを意識した食事」です。

食事は、栄養素の偏りがなく、バランスの良い食事を用意することが前提ですが、浮腫みが気になる方は、「カリウム」が豊富に含まれる食材をご紹介しますので、ぜひ日常に取り入れてみてください。

 

<塩分を排出する働きのある食材>

・きゅうり・アボカド・レモン・セロリ・きのこ・バナナ・海藻・じゃがいも

【レシピ紹介】

今回、ご紹介するレシピは、「カリウムを意識した」主菜をご紹介します。

浮腫み解消には、カリウムだけでなく、水分排泄を促す作用のあるビタミンB、食物繊維も一緒に摂ることがポイントとなります。

今回使うパプリカにはビタミンB6、ビタミンCが含まれ、食物繊維を含む食材にはサツマイモ、きのこ類が該当します。

たんぱく質源は、糖質の代謝を助けるビタミンB1を含む豚肉を使用しているので、運動後、効率よく糖質を体内に取り込むことができますよ。

★豚肉とサツマイモの味噌炒め

材料(2人分)

豚こま肉 200g

さつまいも 1本

パプリカ(黄色) 1/4個

しいたけ 2個

塩・コショウ 各少々

A味噌 大さじ1と1/2

A酒 大さじ2

A砂糖 大さじ1

Aしょうゆ 大さじ1

油 大さじ1/2

 

①豚肉は塩・コショウを振る。さつまいもはスティック状に切る。パプリカ、しいたけは1㎝幅の薄切りにする。

②フライパンに油をなじませ、中火で豚肉を炒め、一度取り出す。さつまいもを炒め、火が通ったら、パプリカ、しいたけを加える。

③Aの調味料を加え炒める。

「からだの冷え」の原因と食事のポイント

今回のテーマ「からだの冷え」。

からだの冷えとは、いわゆる「冷え性」のことです。

近年、温活という言葉も流行っていますが、冷え性でお悩みの方も多いのではないでしょうか。

今日は、冷え性を改善するために、習慣となる原因を見つめ直していきましょう。

 

主な原因として2つ挙げられます。

①筋肉量が少ない

筋肉は収縮することで、血液をカラダに送り出す役割があります。また、女性は男性より筋肉量が少ないため、冷え性に悩む方が多いとされています。

②ストレス、生活習慣の乱れ

ストレスや生活習慣の乱れにより、自律神経が乱れます。心身の緊張状態が続くと、「交感神経」が優位の状態になり、この状態が続くと血行不良となります。

 

まずは自分の生活習慣を見直しましょう。これが冷え性改善への近道です。

①筋肉をつける

加齢や痩せすぎによる筋肉量の減少が原因となることも多いので、運動で筋肉量を増やすことが大切です。

②ストレスを軽減する

自律神経の働きを整え、血行を良くする生活を心がけましょう。

例えば、カフェインの摂取を減らしたり、1日の中で「リラックス時間」を作るように心がけてみてください。

また、シャワーだけでなくしっかり入浴する、ストレッチを行って全身を温めることで効果的に血行を促進させましょう。

 

食事について

 ①たんぱく質を意識する

体内の熱の多くは筋肉で作られます。筋肉量を維持するためにも、たんぱく質を意識的に摂取しましょう。

②カラダを温める食材を選ぶ

カラダを温める食材を選び、代謝をあげましょう。

◇カラダを温める食品◇

▼しょうが(成分:ジンゲロール)

血行を促進し、カラダを温めてくれる。

▼根菜

冬が旬で地中で育ち、水分が少ない野菜は、カラダを温める効果があります。

また、血行を促進するビタミンEを含みます。

▼シナモン

 

冷えを改善する働きのほかにも、抗酸化、抗炎症、抗菌などの作用もあります。

レシピ紹介

今回、ご紹介するレシピは、カラダを温める効果のある根菜類を使った主菜です。

まず牛肉を使ってしっかりたんぱく質を摂り、にんじん、ゴボウを食べて体内から温めましょう。

根菜類は焼くことで内側から温める効果がアップされます。

そして食物繊維が多く含まれるきのこをたっぷり使うことで、きのこの風味も増し美味しさをアップしてくれる一品となります。

★牛肉ごぼうの味噌マヨ炒め

材料(2人分)

牛肉薄切り 200

ごぼう 1/3(70g)

きのこ

(舞茸、しめじ、エリンギ) 150g

にんじん 1/3

油 大さじ1

Aマヨネーズ 大さじ2

A味噌 大さじ1

A酒 大さじ1

Aしょうゆ 小さじ1

塩・こしょう 各少々

①牛肉は塩・こしょうをふる。ごぼうは斜め薄切り、きのこは石突きをとり手でほぐす。にんじんは拍子切りにする。

②フライパンに油をなじませ、牛肉を炒め、火が通ったら、野菜を入れ中火で炒める。

③焼き色がついたら、Aを入れ炒めて完成。